相馬の百尺観世音菩薩 [福島県]
波立薬師を参詣の後、常磐道を北へ走り相馬に向かいました。帰還困難区域内は原則通行不可ですが、高速道を通るなら大丈夫ということです。
道路脇には放射線量の表示があって、一番高い値は3.6マイクロシーベルト/時だったと思います。一目して他の地域との相違が目立つ区間に入りました。道路右手一帯には延々と太陽光発電の装置が設置され、反対側のおそらく田畑であっただろう所は単に冬枯れの景色というのではなく人の手が全く入らないまま放置され荒れ果ててしまった感じがします。さらに緑のシートに覆われていますがその下には黒色の廃棄物が置かれているのがわかります。何カ所も。あちこちに。
原発の問題・放射能廃棄物の問題が解決しない限り”復興”はないと思います。隠し通しはダメです。
さて、相馬へ向かった目的は、百尺観音に参詣するためでした。昭和6年に荒嘉明と言う人物が夢枕に立った観音様の建立に着手し、完成を見ずに亡くなるとその子が後を継ぎ彫り進め、さらに次の三代目と続き、現在は4代目の子孫が超巨大な観音像を彫りあげることを目指しています。完成すれば118尺になるということで、現在は88尺ということです。
広い駐車場があり、境内もきれいに清掃が行きとどいている様子で気持ちが良かった。大きな観音菩薩坐像で、多分脚の部分と下には連弁が彫られるのでしょう。手に蓮の花を持っていますが指の一部が欠け落ちていました。親子4代に渡って少しづつ掘りつづけられてきて今では相馬の人にとっては心の拠り所ともなっているとのことです。
御詠歌は、「しら雲をしのぐいわおの観世音ひろき誓いに救いもらさず」とありました。
参詣の後、松川浦の海鮮市場で昼食。厚く切り分けた刺身の盛合せを大変美味しく頂きました。隣接の海鮮市場で買い物をして帰って来ました。
百尺の大きな観音様の慈悲が、相馬の人々を救ってくれることでしょう。
放射能廃棄物のない復興が、早く来るように願っています。
by kohtyan (2017-03-12 09:20)