賀蘇山神社から遊の里、それから鹿沼彫刻屋台の世界へ [鹿沼市]
賀蘇山神社の御朱印
少し戻って遊の里で昼食。地元の人達がダッチオーブンでりんごやサトイモを焼いて待っていてくれました。
シイタケが美味しかった!
お蕎麦の定食はすべて粟野産にこだわった材料でこんにゃく、セり、フキノトウ等などもうれしい。
昼食後は、椅子を作るグループと鹿沼彫刻の世界のグループと別れて、私は彫刻ほ方へ。鹿沼彫刻の名匠・黒埼嘉門さんの彫刻屋台の彫刻制作現場の見学にいきました。
小学生の体験教室で行っている作品を実際にのみと槌を持って順番に彫らせてもらう。思うようにはいきませんがおもしろいです。
江戸時代から受け継がれてきた鹿沼彫刻屋台は27基あって、毎年10月の第二土曜、日曜に秋祭りが行われています。
下はパンフレットからの抜粋。「平成8年製作。彫師は、黒埼嘉門。泉町が鹿沼北部に位置することから、鬼板、懸魚に北の守護神「玄武」すなわち、蛇と亀の構図を用いている。欄間、水引などは優美な花鳥を種とした彫物で構成」とあり、これが鹿沼彫刻屋台の最新のものということです。
平成27年3月に「山・鉾・屋台行事」のユネスコ無形文化遺産の候補として、国の重要無形民俗文化財に指定されている「山・鉾・屋台行事」祭り33団体を一括提案していますが、栃木県では那須烏山の「山あげ祭り」とともに、「鹿沼秋祭り」が候補となっています。
ガイドによると1台の彫刻屋台を組み立てるには彫師の他に各種職人の技が必要ですが、それを一つの地域内で出来る所は3か所だけ、京都、高山と鹿沼だそうです。
この後、木工団地内で一点物の店を見学、帰途につきました。 (木のまちツアーおしまい)
粟野小学校 [鹿沼市]
先日、鹿沼市粟野地区を中心にバスで巡る『木のまち「かぬま」からの贈り物』というツアーに参加しました。
鹿沼市立粟野小学校(栃木県マロニエ建築賞受賞)→賀蘇山神社(大切株樹齢1800年)→遊の里直売所で昼食と体験→鹿沼彫刻の世界・匠訪問→木工団地と盛りだくさんの内容を楽しんできました。素晴らしい所ばかりだったので順に紹介しようと思います。
まず、粟野小学校から。粟野小学校は明治8年創立昭和39年に鉄筋コンクリートに建て替え、平成14年8月に地材地建の木造校舎が竣工し、平成15年1月から利用開始しました。
使用した木材は地元粟野の財産区から丸太で寄付を受け、粟野で製材し建築も地元業者の手になる地産地建の木造建築です。
1階と2階の間のグレーはスカイラインのイメージで自然との調和をはかる意図があるそうです。
右側が教室、管理棟で左側が体育館 ↓
玄関 ↓ 柱は四本を束ねて一本の柱にしている。
竣工後、公的機関等からの視察はありますが、一般人が校舎内に見学に入るのは今回が初めての試みです。授業の邪魔をしないよう児童が教室に入ったあと校舎内に入りました。
玄関を入ったすぐのホール ↓ 木の美しさにハッとしました。床は檜で壁は杉。
玄関を内側からみたところ ↓
下駄箱は低く、向こうが透いて見える作り。職員室内から児童の動きが見えるように。
教室 ↓
体育館 ↓ 正面の壁は手前におろし舞台となる仕組みです。
トラスト工法の屋根
2階へと続く階段
廊下の屋根
廊下のどこでも好きな所で本が読めるように廊下に書架と腰掛がある。
図書室
図書室から眺めると粟野川が流れていてちょうど梅の花が満開でした。
その隣に見えるのは廃校となった県立粟野高校の元校舎。姪の最初の赴任校だったなぁと思って少々胸が熱くなる。小学校の改築中はこの建物で授業をしていたそうです。廃校になっても役に立てて良かった。
ここは ↓ 「夢階段」と呼ばれている場所。2階から見下ろすようにして撮っています。子供達が校舎内にはじめて入ったとき最も歓声を上げて喜んだ場所で「夢階段」と呼ぶようになったそうです。読み聞かせ等行事にも利用されているそうで、間の手すりを挟んで左右の階段の高さが違います。
ここに私達ツアーの一行は腰をおろし、4年生による音楽の授業を参観しました。はじめにエーデルワイスを合奏してくれました。素晴らしい音でした。サウンドオブミュージックを思いだしてました。
学校では、地元の材木を使って地元の人の手によって建てられた素晴らしい校舎で学んでいることを子供達にも実感してもらい誇りを持てるように、将来は地元に戻ってほしいとの願いをもっているようです。ツアーの最後に児童達へのメッセージを木製のカードに一人一人が書いてきました。地元出身という高齢の女性が、その木製のカードを一枚下さいと添乗員に求めて、校長先生にサインを頼んでいたのが微笑ましかったです。
誰かが校長先生に木造校舎になって変わったことがありますかと質問しました。すると喧嘩をしても仲直りまでの時間が以前より短くなったし、喧嘩をすることも以前より少なくなったということでした。木の持つ優しさが子供達の心まで届いているのですね。
この後、賀蘇山神社へと向かいました。