第86番志度寺 [四国遍路30年秋]
四国霊場第86番補陀洛山志度寺。真言宗善通寺派、御本尊は十一面観世音菩薩(国重要文化財。
国要指定の本堂 ↓
境内には様々な植物が自然の風情で植えられている。
五重の塔 ↓
重文指定の仁王門 ↓
志度寺の創建は推古33年(626)と伝わり、寺の開基については藤原鎌足の息子、藤原不比等が登場する海女の玉取りの伝説がある。不比等が父鎌足の供養のため奈良の興福寺を建てる際に、唐の高宗皇帝の妃となった妹から三つの宝珠を贈られたが、船が志度の海で難破し三つの宝珠のうち一つが龍神に奪われてしまった。探しに来た不比等は志度の海女と情を通じ房前という男児をもうけた。真相を知った海女は房前を世継ぎとする約束を取り交し海に潜って命と引き換えに龍神から宝珠を取り戻し息絶えた。不比等は海辺に海女の墓と堂宇を建て死渡道場と名付けた。693年(持統7年)行基とともに志度を訪れた房前は、母のために伽藍を建立し千基の供養塔を建て寺号を志度寺と改めたという。
現在も本堂の左奥に「海女の墓」があり、石塔が20基ほど並んでいる。バスの駐車場の所からもすぐ。